「怒りすぎると体に悪い」――なんとなく言われてきたこの言葉には、実は東洋医学的にもきちんとした理由があります。今回は、これまで紹介してきた五行(ごぎょう)と、感情のつながりを掘り下げます。
東洋医学では、感情も五行に対応づけられています。怒りは木で「肝(かん)」、喜びすぎは火で「心(しん)」、思い悩みは土で「脾(ひ)」、悲しみは金で「肺(はい)」、恐れは水で「腎(じん)」という対応です。これらの肝・心・脾・肺・腎は、それぞれが体の特定の働きのグループを指す、東洋医学独自の言葉です。
これは、「その感情を持ってはいけない」という話ではありません。感情そのものは、誰にとっても自然なものです。問題になるのは、どれか1つの感情が強く、長く続きすぎるときです。例えば、慢性的に怒りやイライラを抱えていると、気を巡らせる働きである肝に負担がかかり、それが頭痛や生理不順といった不調につながることがあります。逆に、思い悩みすぎると、消化して気血を作る働きである脾が弱り、食欲不振や胃もたれが出やすくなります。
つまり感情は、単なる”気の持ちよう”ではなく、体の働きと直結したサインだということです。イライラが続く、悲しみが抜けない、といった感情の状態は、体からの小さな警告として受け止めてみると、体調管理のヒントになります。この視点は、これから紹介していく「病因」のシリーズで、さらに詳しく扱っていきます。
まとめると、感情も五行に対応し、体の働きと直結しています。長く続く強い感情は、対応する臓への負担のサインかもしれません。
次回からは、体の中を実際に巡っている「気血水」を、不足や滞りのバリエーションまで含めて詳しく見ていきます。
感情と体調の関係をもっと詳しく知りたい方には、東洋医学講座もご用意しています。


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