「疲れているのに、なぜか寝つけない」「顔はほてるのに手足は冷たい」――こんなちぐはぐな体調に悩んでいませんか。それは「陰虚(いんきょ)」のサインかもしれません。
前回は、体を温めるエンジンが不足する「陽虚タイプ」を紹介しました。今回からは、その対になる陰虚タイプを、3回にわたってじっくりお話しします。
陰虚とは、体を潤し、冷まし、落ち着かせる力である「陰」が不足している状態です。陽が体の”エンジン”だとすれば、陰は”冷却水・潤滑油”にあたります。この潤いが減ると、エンジンにあたる陽の働きだけが相対的に強く感じられ、体の中に余分な熱がこもりやすくなるのです。
代表的なサインは、ほてり(特に手のひら・足の裏・顔)、寝汗、喉や口の渇き、肌や髪の乾燥、寝つきの悪さや眠りの浅さ、目の乾き、便が硬くなりやすい、といったものです。イライラしたり、そわそわと落ち着かない感じが出ることもあります。冷えのサインが強く出る陽虚とは対照的に、陰虚は「乾き」と「こもった熱」がキーワードになります。
ここで、ぜひ知っておいていただきたい大事なポイントがあります。陰虚は、年配の方だけに起こるものではないということです。むしろ現代の生活習慣は、若い方の陰を消耗させやすい要素に満ちています。次回は、このテーマをさらに詳しく掘り下げていきます。
まとめると、陰虚とは体を潤し、冷ます力の不足であり、「乾き」と「こもった熱」がサインです。そして、年齢に関係なく、誰にでも起こり得るものだということを覚えておいてください。
次回は「なぜ今、若い人にも陰虚が増えているのか」というテーマでお届けします。ぜひ続けてご覧ください。
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