春になるとなんだかイライラしやすい、梅雨の時期は胃腸が重い――そんなふうに、季節と体調のつながりを感じたことはないでしょうか。東洋医学には、この関係をきれいに説明してくれる「五行(ごぎょう)」という考え方があります。
前回は、体調を測る物差しの1つ目「陰陽」を紹介しました。今回はもう1つの基本の物差し、五行についてお話しします。
五行の基本は、自然界を「木・火・土・金・水」という5つの要素に分類する考え方です。これは四季の観察から生まれました。木は伸びやかに成長する春、火は燃え上がるような夏、土は恵みを育む季節の変わり目、金は引き締まり澄みわたる秋、水は静かに蓄える冬、というイメージです。
そして、体の働きもこの5つに対応づけられます。詳しくはこれからのシリーズで1つずつ紹介していきますが、まずは「肝(かん)・心(しん)・脾(ひ)・肺(はい)・腎(じん)という5つの働きのグループがあり、それぞれが木火土金水に対応している」ということだけ覚えておいてください。これらは西洋医学でいう同名の臓器そのものではなく、もっと広い「働きのまとまり」として捉える点がポイントです。
五行同士は、助け合ったり、抑え合ったりしながらバランスを取り合っています。木が燃えて火を生み、火が燃えたあとの灰が土になる、というように、お互いを後押しするリレーのような関係を「相生(そうせい)」と呼びます。一方で、木は土から養分を奪い、土は水をせき止める、というように、一方が暴走しないようブレーキをかけ合う関係を「相克(そうこく)」と呼びます。
体の中でも同じ仕組みが働いています。ある働きが強くなりすぎると、別の働きが自然にブレーキをかけてバランスを取ろうとするのです。このバランスが崩れたときに、不調として現れてくると考えられています。
まとめると、五行とは、5つの働きが助け合い、抑え合いながら成り立っている仕組みです。次回からは、この陰陽と五行という2つの土台を使いながら、体の中をもっと詳しく見ていきます。
次回は、「足りないのか、余分なのか」を見る新しい物差し「虚実」を加えて、陰陽をさらに深掘りしていきます。まずは「虚実ってなに?」というテーマからです。
五行それぞれの体質タイプについて詳しく知りたい方には、東洋医学講座もございますので、あわせてご覧ください。


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