「ほてる」「寝汗」「喉が渇く」「なかなか寝つけない」――このサイン、どう読み解けばよいのでしょうか。今回は、このシリーズで特に大切にお伝えしてきた「陰虚タイプ」の見立てです。
前回は陽虚タイプの見立てでした。今回は、陰虚(いんきょ)タイプの見立てを紹介します。
症例です。20代女性。手のひらや顔がほてりやすい、寝汗をかく、喉が渇きやすい、寝つきが悪い、肌が乾燥しやすい、という相談です。年齢は若いものの、慢性的な寝不足とスマートフォンの使いすぎ、そして塩分・水分を極端に気にしすぎる食生活があります。
これを弁証してみましょう。陰陽・虚実の物差しでは、「ほてり」「寝汗」「渇き」は、体を潤し冷ます力である「陰」の不足、すなわち陰虚を示す典型的なサインです。気血水の物差しでは、「喉の渇き」「肌の乾燥」は津液不足(しんえきぶそく)を示しています。五臓の物差しでは、「寝つきの悪さ」は心(しん)、そして年齢に関わらず陰虚が起こりうる背景として腎(じん)の関わりも考えられます。
さらに、この方の生活習慣――夜更かし、スマートフォンの使いすぎ、水分・塩分の極端な摂り方は、まさに以前お伝えした「若い人にも陰虚が増えている理由」そのものです。ここから見立てられるのは、「加齢ではなく、生活習慣による陰虚」という状態です。養生としては、以前紹介した「じわっと潤す」ケア――水分をこまめに摂る、就寝前のスマホを控える、体を潤す食材を取り入れる、といった工夫が効果的と考えられます。
まとめると、陰虚タイプの見立ては、ほてり・寝汗・渇きは陰虚のサインです。年齢だけでなく生活習慣も背景にあり、「じわっと潤す」ケアがポイントになります。
次回は、複数のタイプが組み合わさった、より複雑な症例を見立ててみます。
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