「冷える」「疲れやすい」「顔色が白い」「声が小さい」――このサイン、どう読み解けばよいのでしょうか。今回は、実際の症例を使って「陽虚タイプ」を見立ててみます。
前回、弁証の基本的な流れを紹介しました。今回は実例を使って、実際に見立ててみましょう。
症例です。30代女性。手足が冷える、朝が特につらい、疲れが取れない、声に力がない、むくみやすい、という相談です。
これを弁証してみましょう。まず陰陽・虚実の物差しでは、「冷え」「疲れやすさ」「力のなさ」は、体を温め動かす力である「陽」の不足、すなわち陽虚(ようきょ)を示すサインです。気血水の物差しでは、「疲れやすさ」「声に力がない」は気虚(ききょ)を示すサインです。五臓の物差しでは、「冷え」「むくみ」「朝がつらい」は、生命力を蓄える腎(じん)、そして水分代謝を担う脾(ひ)の働きの弱りを疑わせます。
これらを組み合わせると、「陽虚・気虚を背景に、脾腎の働きが弱っている状態」という見立てが立てられます。養生としては、以前紹介した「温める」ケア(冷たい飲食物を控える、お腹や足腰を冷やさない)に加え、「脾を労わる」食事の工夫(よく噛んでゆっくり、冷たいものを控える)を組み合わせるとよさそうです。
まとめると、陽虚タイプの見立ては、冷え・疲れやすさ・声の弱さ=陽虚+気虚です。脾腎を温め、労わるケアがポイントになります。
次回は、正反対のタイプ「陰虚タイプ」の見立てです。
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